全ての始まり

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~時間は少し逆登る~ 昨日俺はこの街に引越して来た。暮らすのは祖母の家。 当然通ってた高校も転校する事になる。 私立の¨青徳学園¨(せいとくがくえん)。 明日から登校しなくてはならない学校。 別に俺には必要の無い場所。 学校に意味なんて無い。 今日は手続きと挨拶に親父と学校へ行っただけ。 新しい制服は着て行かなかった。 親父と会わなければならないから。 黒のスーツ上下。 白いシャツ。 黒のネクタイ。 黒の革靴。 親父はいつもの事とあまり気にしてなかったが、相手は不思議そうに俺を見ていた。 礼服は親父から持たされていた。 色々と事情が有り、物心ついた時から周りの人間はよく死んでいたから。 今は一人祖母の家に帰る途中。 引越してきたのは俺一人。 親父は仕事が忙しいらしく、用が終わると早々に帰った。 俺には夢がある。 それは・・・。 いつかこの手で親父を殺す事。 今は事情があり難しい。 だからその日が来るまでは大人しく言う事を聞いといてやる。 言われた通り転校し、卒業する。 昔から親父と出会う事は少なかった。 年に数えるくらいしか・・・。 だから、たまに会う時があればその時は礼服を着る事にしている。 お前の葬式だと言わんばかりに。 俺の人生など・・・どうでもいい。 アイツさえ殺せれば。 そんな事を考えながら歩いていると、気が付けば目の前に二人組の男がニヤつきながら立っていた。
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