全ての始まり

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「ちょっといいか?」 茶髪のメッシュ頭の奴が言った。 「兄貴、さっさと終わらせようぜ。」 もう一人は黒い坊主頭。耳には十字架のぶら下がったピアスをしている。 服装は二人とも制服姿。 紺色のブレザー。 白いシャツ。 黒のネクタイ。 チェックのズボン。 祖母の家に置いてある、明日から着ていく俺の制服と同じ。 「青徳の奴か?」 一応聞いてみる。 「俺らさぁ~。金に困ってんだよね。ちょっと貸してくんない?」 俺の質問は無視か。 「財布出せよ!」 黒い坊主頭が近寄って来た。 「すまないな。他人に貸せる金は無いんだ。」 面倒は避けたい。 そう言いながら周りを見渡す。 下校途中の同じ制服の奴や、通りすがりの社会人。 みんな見ていないフリをしている。 その様子を見て俺は下を向き、少し笑った。 「何笑ってんだぁ!?」 黒い坊主頭の奴に胸ぐらを掴まれた。 後ろにいる茶髪のメッシュ頭が言う。 「その綺麗な顔、怪我したくないだろ?」
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