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「そうだな。」
俺は諦めたように返事をした。
「俺の財布の中には十万円入っているが。」
二人共驚いている。
更に俺は続ける。
「ここじゃ人目につく。出来れば誰も来ない場所で渡したい。」
二人は簡単に要求を呑んだ。
何の疑いも持たず、金額に目がくらみ自分達が墓穴を掘っている事にも気付いていない。
「ここならいいだろ。早く出せ。」
ひと気のない路地裏に連れて来られた。
ここなら騒ぎにならない。
「兄貴、半分づつな!」
「弟のくせに生意気だな。今日は特別に許してやるけど。」
幼い兄弟の様にじゃれた会話だ。
二人のテンションは最高に上がっている。何せもうすぐ大金が手に入ると思っているからな。
「2つ言いたいことがある。」
「あぁ?」
二人は焦らすなと言わんばかりに怒鳴った。
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