双子誕生

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――――ピンポーン 「ん?」 オレはチャイムの音で目が覚めた。 うぉ。 腕がオメー。 二歳児とはいえ頭の重さは五歳のオレに支えれるほどの重さではなく…。 今のオレなら関係なく………って、やってないぞ!? たまに気がついたらいたりするけど……。 だぁぁぁあ! 今は関係ねぇ~! 話を戻そう。 とりあえず美優の頭を動かないように抑えてゆっくり抜いて………。 いや、オレに抱きついてるから抜けても動けねぇよ…。 ――――ピンポーン 空気を読んで…婆ちゃん…待ってほしい。 しかたねぇ…背負って行くか…。 オレは美優をうまく背負うと玄関まで歩いていった。 やべぇ何時もの棒を持てねぇ…。 小さいオレは鍵をL字型の棒でうまく引っ掛けて外していた。 が、今は背中に美優がいるわけで…。 もしかして離してもおちないとか? 「浩ちゃ~ん?」 「ちょっと、まって」 現状を打開する策は一つ。 両手を離してでも鍵を外す。 リスクは美優が落ちないかどうか…。 オレは離してみた。 「……………」 「スゲー」 予想を上回る筋力らしいですね…。 オレはいつも通りに棒を引っ掛けて鍵をあけた。 「浩ちゃんお久しぶりね」 「婆ちゃんご苦労様」 オレは片手で優美の腰をささえて挨拶をした。 「あらあら。浩ちゃんは優しいお兄ちゃんね」 婆ちゃんは笑顔でオレをみて優しく撫でた。 「優しいんじゃないよ美優が離してくんないからしかたなく…」 オレは照れて突っぱねた。 婆ちゃんはわかっていたらしくそれでも笑顔で撫でてくれた。
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