人生に保障はない

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「おい、あれを持ってきてくれ。」 社長は、同じ社長室にいた秘書に声をかけ、秘書は一礼し部屋を出た。 「リストラ…っていうやつですか。」 俺はやっと声を発することができた。 「その…原因というか理由を教えて頂ければ…」 擦れた声で視線もキョロキョロしながら。我ながら情けない姿だった。 その理由としては、一つ自分で思い当たる節があったからなのだ。 「あぁ…例の試合か。あれは特に決め手になったわけでもないのだが。だが試合に出れない君は、もう使い勝手が悪いんでね。」 そう言い社長は大きな窓から外を見た。
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