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時は既に遅し。次に場内に響いたのは相手側の高笑いと重役達の怒りの声だった。
そこからは記憶がなく気付いたら自分の家のソファーで朝を迎えていた。
「何て使えない人間。」
一言目に出た言葉がこれで、涙があふれ出た。
それからというもの、会社の部署でも、チームの中でも居づらくなったのだが、行かないわけにはいかなかった。
だから、この「解雇」という辞令が出た時。どこか心の中でホッとした自分がいたのは確かだ。
「もう部署で迷惑かけることもない。」「もう練習中ずっとベンチに座り続けることもない。」
解放される。
この時ばかりは、そう考えていた―
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