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「食べてね。貰い物だから。」
そう言って遥にも差し出した。
「ありがとう。」
遥は、出されたクッキーを1つ手に取って、話を聞く姿勢をとった。
「所長はさ、自分だけ定時には帰るらしいの。大変な事ばかり人に押し付けて酷いよね。…こんなに夫婦の時間が無いとさ、子供が欲しくても、作る時間さえ無いっての。」
「…所長、定時に帰ってるの?」
「そう旦那が言ってたよ。…社員はサービス残業してるってのにね。」
百合の表情は暗い。
「フォローって…そんなに毎晩?」
と、遥が聞いた所で、幸子が戻ってきた。
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