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今日は本当についてない、そう思いながら璃央は廊下を徘徊していた。
この学園は最近、治安が少し悪くなった。
例えば佐々木亮や相場涼子のような、好き放題をする生徒が増えたからだ。
しかし彼らは大企業の親というバックアップがいるため、学校側も手が出せないのだ。
しかし生徒会としては、見過ごす分けにはいかない。
だからこうして治安アップのために徘徊して回っているのだ。
「か~いちょっ🎵」
璃央はその声を聞き、嫌そうに眉をひそめながら振り向く。
相場涼子は今朝と同じように微笑みながらヒラヒラと手を振っていた。
「…何か用ですか相場さん。髪は黒く染めてくるように言ったハズですよ。」
キョトンとした目で手の動きを止めた。
そして涼子は、今度は意地悪く笑い出した。
「冷たいね会長、朝助けて上げたのに。お礼の一つも無いんだぁ。」
「助けてを請うた覚えもありませんが?」
人気の無い廊下でバチバチと火花が散る。
小柄な璃央に比べ、涼子はモデル並に背が高くスラリとしていて迫力があるが、それに臆することはない。
璃央曰く、
身長があっても器の小さい人間はいっぱいいるから、らしい。
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