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意を決した風間の声よりも大きな声がした。
道の向こうから走ってくる女の子が一人。
くせっ毛の前髪をモフモフ揺らし、オレンジのマフラーをなびかせながら再び友人達の名前を叫んでやってきたのは、ひま〇りだった。
「もぉ、トイレ行くから待っててって言ったじゃんか~」
「だってひま〇りトイレ終わったらなんか変な歌歌って踊ってたんだもん」
「そうだよ。また長くなりそうだったから先帰っちゃおうと思って……」
友人達の言い訳にひま〇りは膨らませた頬を緩めない。
あれはトイレから出てきた時リクエストされたのだ、とひま〇り。
もうそんなことにイチイチ応えなくてもいいんだよ~、と友人二人。
盛り上がる女の子達に取り残された風間と、変質者。
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