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私は怒る。
やつらの仕打に。
怒りに満ちて段々と私の顔は真っ赤に染まる。
やつらは昔、水を与えてくれた。
暖かい部屋を用意してくれた。
生きる為に世話をしてくれた。
だが、それは、生かされていただけだった。
次々に仲間たちが殺されていくのを、私はただ呆然と見てる事しか出来なかった。
怒り。
憎しみ。
悲しみ。
どの言葉をもってしても、この光景を形容することが出来ない。
助けを求めた。
だがすでに、周りには誰もいなかった。
「終わりか・・・。」
そう思ったそのとき、殺人鬼の手が止まった。
助けが来ることを望んだ・・・。
「誰かいるのか?助けてくれー!!」
大きな声でさけんだ。助けが来るのを信じて。
だが、次の瞬間、
「いやー、お父さん!すごいですね!!」
「うちのトマトは、ビニールハウスで栽培してるから、最高においしいよ。」
「どれどれ、ひとつ味見してみても良いですか?」
「いいよ!これなんか、真っ赤で美味しいと思うよ~。」
やつらはそう言うと、その中の一人が俺の顔を掴み、首から一気に引き抜いた。
合掌
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