第1章 越えられない壁

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「お、おい。」 「もう……だけ、いて」 「今なんて?」 魅麗の口に耳を傾ける。 「もう、少しだけいて…お兄ちゃん」 「ね、寝言だよな…前にも確かこんな事があった気が…」 だけど、俺はしばらく魅麗の手を握っていた。 「やべっ!!」 俺は起きた瞬間、状況が読めた。あのまま、俺は魅麗の部屋で寝てしまっていた。手を握ったまま。 「ヤバい…魅麗なんかに見つかったら……」 「なんで?」 「へっ?」
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