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「あーあ、春休みも、もうすぐ終わっちまうなー」
こんなぼやきを吐いているのは、この話の主人公こと、音無高瀬(おとなしたかせ)である。
「にぃにー、出かけようよー」
「だからっ!にぃにって呼ぶなって」
今一階から二階の、俺の部屋まで叫んだのは俺の妹の音無魅麗(おとなしみれい)だ。
「そんな毎日毎日、ぐぅたらしてると彼女なんか出来ないよー」
「わかった!わかったよっ!今から支度するから、下で待っててくれ」
「やったぁー☆」
「やれやれ…」
今、魅麗が言ったとおり、俺には彼女は居ない。考えた事も無かった。
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