25人が本棚に入れています
本棚に追加
ケータイを手に取り、みてみると、“非通知”と表示されている。夏目からの電話は登録出来ないことはもう実証済み。だからこれは、夏目からの電話だろう。
「出ないといけないのか」
かれこれ5分。服を着終わっても鳴り響く。オレはようやく観念して、電話に出た。
「もしも……」
「長いですよ!電話かけて数十分は経ってますよ!」
「いや、5分なんだが」
電話に出たとたん、顔を膨らませ、昨日と同じ服装で現れた夏目。
「……大差ありません!」
「あっ、開き直った」
その夏目の反応に思わず、笑ってしまいそうだった。
「ユウマさん、お出掛けになるんですか?」
「そうだけど、よくわかったな」
「服装がオシャレなんで」
「そうか?普通だろ」
「よく似合ってますよ」
夏目は微笑を浮かべた。
不覚にもドキリとしたオレ。
「顔赤いですが平気ですか?」
「日焼けです」
「家の中なんですけど」
最初のコメントを投稿しよう!