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アキラは幼なじみの少女と取っ組み合いになっていた。
窓が開き、カーテンがなびいている。多分、あそこから入ったのだろう。ドアから入った姿をみていない。あそこからしか入って来られない。
幼なじみの少女――久藤リサはオレに気付き、睨んだ。
「よりによってユウマ!うちより親友選んだな!?」
「いや、だから忘れてた」
二人の話しから、オレはお邪魔虫だと判断した。
「……アキラ、オレ帰るわ」
「コラ、ユウマ逃げるな」
「逃げるなって何!今からでもいいからデートー!」
カードをしまいじゃあ、と二人に言って出て行った。
「おじゃましました~」
アキラん家から出た後、ケータイを耳にあてた。
「あの方達放っておいていいのですか?」
「いいんだよ。何時もあんなんだからさ。今から家帰って何するかな……」
「テレビ観たいです」
「テレビ?今の時間、面白いのやってるか?」
「面白くなくてもいいですよ!テレビお願いします」
「ハイハイ」
日が暑くなるなか、ケータイで夏目と話しながら帰って行く。
夏はまだまだ長い――。
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