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夏休みには必ず、試練がある。コレを乗り切らなければ楽しい夏休みを最後まで迎えられない。
「ヤダ……もうやってらんねぇ」
机にふせ、嘆く。オレの顔の下にはそう、宿題がある。
「連立方程式とかわかんねぇ……」
教科書をパラパラめくる。数学ってある意味呪文じゃね?どこでこんなもん使うんだよ。
ため息がでる。右手に持つペンは書くのではなく回す。
「誰か頭いい奴と勉強したらはかどったな~」
ペンを置いて、近くにあるマンガ本を手に取ろうとしたとき、机に置いてあるケータイが鳴った。
この数日、パターン的に相手は夏目だ。
オレの予想通りだった。
「ユウマさん何してるんですか?」
「見てわかんねぇ……宿題だよ。夏休みのさ」
夏目は机にある宿題を見つめる。
「数学ですか。この答えx=2……とy=-3ですよね」
「オレにはさっぱりわかんねぇんだ……ってお前、解けんの?」
「ええ、まぁ連立方程式ぐらいは普通に」
その言葉にオレは瞳を輝かせた。
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