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夏目とオレは笑い、自分達の達成感を感じながら、教科書をパラパラめくる。
「一緒に解いてたから、やり方覚えて一石二鳥だったわ。ありがとうな」
「そんなことないですよ。ユウマさんの理解力がよかったからです。授業中、ちゃんと聞いてれば解るんじゃないですか?」
「途中途中寝てるから、耳に入った声がちくわのみたいに抜けてくんだよ」
「ちくわって」
想像をしたのかクスクス笑った夏目。オレもつられて笑いそうになろうとしたときだった。
オレの手があるページで止まった。
不思議に思ったのか、夏目の笑い声がなくなり尋ねてきた。
「ユウマさん、どうかしました?」
「……夏目、お前言っても怒らないか」
「?」
夏目は教科書を覗き込んだ。
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