コール1 非通知からの出会い

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   少し気まずい空気が流れた。悪いのは自分です。はい。  気まずいままの空気を蹴散らすかのように、オレはソイツに話しかけた。 「なんでオレのケータイにかかったんだ?」 「それはわかりません」 「偶然ってことか。じゃあ、お前の声がケータイからじゃないと聞こえないのと一緒で、ケータイからじゃないとオレの声、伝わらないのか?」 「その通りです」 「結論から言うと、寂しさを埋めてやりゃお前は消える訳だな?」 「はい。なのでこれからよろしくお願いします……お名前は?」  ソイツの言葉にああ、と声をもらした。 「オレは間宮ユウマだ。名前は好き勝手に呼んでくれ……夏目」 「はい!よろしくお願いしますユウマさん。それでは今日は失礼させていただきます。何とぞ末永く、お付き合いしてください」  礼をした後、夏目はうっすらと透けて消えた。ケータイから、プーップーッと鳴っていた。  末永くってどんだけいるき?  今の出来事が起きたことにオレは正直信じがたかった。これからの夏の日々が最悪になっていくのか――。 「あっ、電池一個になってる」  はたまた最高の夏になっていくのかは、今のオレには想像などできなかった。 .
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