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「2人達、転校してね」
俺達を生んだ母は、にっこり笑って告げる。ハートマークつきで。
休日でゴロゴロしていた俺と双子の妹は、食べかけのせんべいを同じタイミングで床に落としたのは言うまでもない。
―――――…………
俺、朝飛(あさひ)と妹の日向(ひなた)は一卵性双生児である。
親はさすがに間違えないが、周りの人間には区別がつかないとよく言われる。
違う所は、性格ぐらいなものだろうと自分では思う。
日向は可愛いものが好きで、俺は質素なモノクロ系が好きだ。
「……で、母さん。意味がわからないから説明してくれる?」
日向の声で現実に戻された俺は、にっこり笑う母さんに視線を向けた。母さんは「勿論よ」と言って椅子に着席。
俺と日向は母さんに育てられた。
母さんはいわゆるシングルマザーだ。でも不自由だと思ったことはなく、育ってきた。
だから家の中で母さんに反論はしたことはないが、今回は別だ。話が飛躍しすぎている。
「母さんね、再婚することになったの」
俺らと似てない童顔な顔で幸せそうに話し始めた。
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