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「なら俺とはどうだ?転校生?」
「………くどい。今の話を聞いてましたか会長?勿論お断りします」
再び周囲にざわめきが起き、次に暴言まで聞こえてきて。
断られた当の本人は少し目を細めはしたが特に驚いた様子はない。寧ろオモチャを見つけた子どものように嬉しそうな顔をした。
「風変わりな転校生か。……気に入った」
「ちょ、龍也!!先に僕が目をつけたんだから」
「関係ないな。落とした方が勝ちだ。というわけだ転校生、……覚悟しておけ。全力で落としに行ってやるよ」
くはははと笑いながら去っていく会長。「笑う会長も格好良すぎ……」と各々に呟く阿呆共。――頭大丈夫か。コイツ等。
話が気持ち悪すぎてツッコまなかったが、賢士の狙い通りに行ってるようで腑に落ちない。
残ったのは会計と書記。どうやら副会長はこの場所にはいなかったらしい
これ以上相手にするのも馬鹿らしい。
日向と賢士に呼びかけ教室へと戻ることにした。
「――ッ待って」
「……なんですか?」
「名前、名前教えて?」
「断る。メリットがない」
バッサリ切り捨て背を向け歩き出す。
食堂など来るべきではなかった。
結果、面倒なことに巻き込まれそうに。否、巻き込まれた。
とりあえず部屋に戻った後は賢士を殴らなければ気が済まないと思った。
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