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教室までの道のり、賢士の笑いが止まることはなかった。
もうすぐ午後の授業が始まるため、日向は先に来客用の一個しかないトイレまで行ったため別行動。
「ほんっと、ひーちゃんには過保護だよねぇ」
「うるさいクズ。被害は最小にしてやっただろ感謝しろ。寧ろ逝け」
「何で今の会話からそのオチ!?ダーリン泣いちゃう」
「泣け、寧ろ逝け」
「…………酷っ!!」
低レベルな言葉遊び。
打ちひしがれる賢士を意識から追い出し、これからどうやって寄ってくる奴を撃退するか考えることにした。
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「え~と、此処を右に曲がって左に曲がって………あった!!」
一方、日向は賢士に教えて貰った通りにトイレまでの道を進んでいた。
直ぐに発見したものの、敢えてそこまでは行かず後ろを振り返る。
「何か僕に用ですか?」
「……あなた、あの転校生の双子ですか」
数人、廊下の向こうから出てきてジリジリと近づいてきた。言葉から判断して朝飛のお客さんらしい。
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