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何にも言えずに俯いて撫でられていたら、ようやく日向の気持ちに気づいた副会長は少し申し訳なさそうな顔をして手を引っ込めた。
「………む、すまん。年の離れた弟達と間違えた」
「僕は気にしてませんよ。弟さんいるんですね。何歳なんですか?」
「3人ほどいる。年は2歳と4歳と8歳だな。なかなか可愛いぞ?長期の休暇しか会えないのが残念だが」
思ったより年が離れていることに驚きながらも、その位の年だとさぞかし可愛いんだろうなと日向も釣られて頬が緩む。
教室まで送り届けてくれると言ってくれたので、その途中も副会長の弟たちの話で盛り上がり。
油断していたと言えば油断してた。というより………暖かな副会長の雰囲気に安心してたみたいで。
予想外のハプニングが起こった。
「あ、もうすぐ教室なので………ありがとうございました」
簡単に言うと、まず頭を下げてお辞儀をした。そのまま教室まで走り去ろうとして、ズボンの裾を踏み転けそうになったのだ。
"そうになった"と表現したのは実際には転けてないから。
副会長が日向の身体を掴みそれを阻止してくれたのだ。
……しかし掴み処が悪かった。
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