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「…………!?」
口をパクパクさせる彼。
何かを叫びだす前に日向は腕を掴み教室の中に連れ込んだ。勿論資料室という空いている部屋に、だ。
後ろ手で鍵を閉め、溜め息をつく。
まさかこんなに早くバレるとは思わなかった。……朝飛に怒られちゃう。
「お、前………女なのか!?」
「人の胸揉んどきながらよく言えますね?あとお前ってのは止めて下さい。あたしには東日向という名前があります」
「………揉んでない!」
真っ赤な顔で騒ぐ姿にオヤ?となる。
副会長は容姿もバッチリだし人柄もいい方だと思う。
生徒会だからそれなりに女も下手すれば男まで経験はあると思うし、女の胸を揉んだくらいで。
見間違いかとも思ったけど、それにしては過剰に反応しすぎている。
だから聞いてみた。
「副会長。あたしが怖いですか?」
「ち、ちがう」
そしたら、目を泳がせながら『近寄るな』というオーラを出してくるので嘘バレバレ。
副会長の反応からして女性に対しての嫌悪感を感じられなかったから、女性に慣れてないだけだろうと日向は判断した。
心の中でニヤリと笑う。それがわかっただけでも儲けもの。
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