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「ただいま~」
「遅かったねひーちゃん」
「うん………ちょっとね」
本鈴が鳴る少し前、日向がようやく帰ってきた。
すぐに本鈴が鳴り響いた。教師が入ってくる。
「………機嫌が良いな」
「そうかな?あ、朝飛。これだってバレちゃった」
「そうか………はっ?」
小指を立てながらそれを指さす日向。続けて何事もなかったように最重要項目の漏洩を言われ一瞬わからず普通に返事をしてしまった朝飛。しかしすぐに少し焦った顔を日向の方へと向けた。
何故バレたのか色々聞こうか悩んだが自信満々に笑う妹を見るとどうでもよくなってしまった。
日向のことだ。何かしら対策は打ったのだろう。と勝手に解釈する。
「あとね、知らない人達から朝飛に伝言。『後日お話ししましょう』だって」
「ソイツ等にバレたのか?」
「違うよ。多分、賢ちゃんが言ってた親衛隊かな?ミニミニした子たちだったし」
あまり興味は無さげな様子の日向。
余程何か"いいモノ"でも見つけたのだろう。
視線を教科書へと向ける。だが朝飛の頭の中では日向の言った『親衛隊』の存在のことを考えていた。
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