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ある嵐の夜、激しく鳴り響く雷雨、立つことも困難な荒々しい高波に揺られる一隻の船があった。
視界が悪く何一つとして油断が出来ない。
「船長、船長、この波ではこれ以上の航海は無理です。島に帰りましょう」
「ああ、皆にもそう伝えろグズグズしてるとアイツが出るかもしれんからな。取舵いっぱあぁい!」
船員達に激を飛ばす船長。
すると、船見習いが何かを見つけたようだ。
それは不思議な光景だった。
嵐により海は濃い暗がりを見せていたが、それは波とは見て取れぬ動きをしていた。
その蠢く様はまるで蟒蛇のようである。
巨大な泡が海面で次々に割れていく。
同時に鼓膜が張り裂けそうなくらいの甲高い叫び声とともに暗い海を蠢いていた物が現れた。
その正体は近海の主『狂乱の海獣リバイアサン』だ。
船長は『天穿の薙刀』を持って来るよう見習いに指示する。
天穿の薙刀を手に船長の下へと急ぐが怪物の尾により船外へとはじき出されてしまう見習い。
「一人やられたぞー!」
船員達が叫ぶ。
「船長、『天穿の薙刀』を持ちました」
慌て気味に武器を差し出す見習い。
武器を構える船員達。
さあ戦闘開始だ。
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