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休み時間になると、俺達の席の周りにはたくさんの人だかりができていた。
「なんでこっち帰って来たんだよ!?」
友人Aはそう尋ねてきた。
「あっちの学校部活がしょぼかったから。」
勇馬はそう答えた。正直本当の理由は別にあるのだが、それがあきらかになるのはもう少し先になるだろう。
一輝にだけは本当のことを教えているため。
「そんなのどうでもいいだろ!それより転校生かわいすきだろ!?」
と、話を変えてくれたため俺への質問はなくなった。
正直聞かれたくなかったから助かった…。
「一輝!サンキューな。」
「あぁ。きにすんな。」
一輝のこういう心づかいは本当にありがたいと思う。
一方雫の方でも、
「雫ちゃ~ん。かわいいね。」とか「つきあってる人いんの~?」や「つきあって!」とかのウザい質問ばっかが繰り広げられていた。
まぁ雫は全部無視していたが…(笑)
そんなこんなで、雫に話かけた男子はみんな泣きながら席に戻っていった。
まぁ…どんまい。
チャイムがなって一時間目の授業が始まった。
授業が始まると、雫が俺のブレザーを引っ張ってきた。
「どうしたの?」
勇馬がそう尋ねると、
「教科書…見して。」と
雫が言ってきた。
「忘れたの?」と聞くと首を横に振ってきたので、どうしたの?と勇馬は聞いてみた。
「まだ…もらってない。」
と雫は答えた。
(転校生だから、教科書違うのかなぁ。)
「いいよ。」というと雫が机をあわせてきた。
雫の体から甘い匂いが鼻孔を刺激する。
(ヤバい…。マジ女の子特有のあの匂いがすごい。)
勇馬は雫を意識してしまい。授業に集中できなかった。
そんなこんなで今は昼休みである。
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