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しばらくすると、氷を入れた袋をもった、雫が戻ってきた。
「明日香…ぐっすり……寝ちゃってる…。」
「いろいろあって疲れたんだよ。」
勇馬はそっと明日香のほほに触れる。
涙が乾き、ほほにはうっすらと涙のあとが残っていた。
「明日香は…義兄さん以外の……男の…人には懐かない……。」
「確かに最初は警戒してた感じがあったな。ってことは、俺も信用されたのかもね。」
「ゆう…優しいから……。」
勇馬はありがとうと言い雫の頭をそっと撫でる。
すると雫は目を細め気持ちよさそうな表情を見せた。
「そういえば、このまんまじゃ明日香風邪ひいちゃうから、ベッドに寝かせてくるわ。」
勇馬はそっと立ち上がった。
「うん…。お願い……。」
「了解!」
しかしリビングを出ようとしたところで、明日香が起きてしまった。
「お兄ちゃん…。」
「悪いおきちゃったか。ベッドで寝ちゃいな連れてってあげるから。」
「お兄ちゃんも寝て…。一人じゃやだ…。」
明日香は弱々しくそう嘆いた。
「眠いし寝るか。じゃあベッド行こうね。」
勇馬は明日香を抱っこしたまた寝室へと向かった。
「どっこらしょ。」
明日香を先にベッドに入れてあげた。
そして、自分も布団に入る。
するとすぐに明日香が抱きついてきた。
さっきまでは甘えなかったのに…。
まぁなついてくれてよかったけど。
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