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「マグノリア…そこの鏡台の右の引出しを開けてみて。」
お祖母さまの言う通りマグノリアは鏡台の引出しを開けた。
中には綺麗な彫り細工のされた金のコンパクトが入っていた。
「わぁ…綺麗なコンパクト…」
マグノリアが呟いた。
「持っていって頂戴…女性はいつも美しくありたいと心掛ける事。いつも身近な所に持っていてね。」
とお祖母さまはベッドから言った。
「私が貰って良いの?」
マグノリアがそう言うとお祖母さまは
「私は眼も老いて小さなコンパクトを使う機会が無いもの…それにお祖父さまが最初にくれたプレゼントで私の宝物なのよ。だからマグノリアに受け継いでもらいたいの…」
と言ってお祖母さまは微笑んだ。
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