城のはなれ家[1]

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  『いや…、遠慮しておこう。  百戦錬磨のドワーフ族長の方が適任でしょう。  それよりも、コメット  一段落したので、お茶を入れてくれぬか?』 「はいっ!  ルージュ様には、熱いミルクを  将軍様には、冷えたオレンジ酒で  よろしいですか?」   『うむ…、部屋まで頼む。  では、フット殿  そのシルフを、見張り役に  返して頂いてもよろしいかな?』 「…もちろんじゃとも。  将軍の頼みでは、断れんからの。」   カッカッ…と、高笑いで歩きながら、ドワーフの族長は、地下室への扉を開けると ふと立ち止まり、思い付いた様にわたしの方に指を立てて 「お女中、ワシにも  オレンジ酒を頼むぞ……もちろん、樽でな♪」 「…かしこまりました。」 ご機嫌な鼻歌で、貯蔵庫に降りて行かれたようです。 念のため、床の方に目を戻しましたが… 案の定…シルフ様は、とっくに姿を消していました。  
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