『ある少年の思い出』

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それはあの夜の事だった。 細かい事情は判らないらしい。 けど、どうしても「ヒトラー」を連れて行く事が出来なかったそうだ。 母親が1人で捨てに行った。 散歩に連れていくのも母親。 毎日、お世話をしてたのも母親。 一番可愛がっていたのは母親だった。 置き去りにされ、遠ざかっていく「ヒトラー」の鳴き声がずっとずっと頭から離れない、「ヒトラー」に申し訳ないからもう動物は飼いたくない。 涙をためながらそう話してくれたらしいんだ。
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