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「お前、俺になんか言いたいことあるんじゃないのか?」
「べ、別に無いけど」
あるわけねぇじゃん、用なんて。
なんでそう思うわけ?
「そうか?」
「そうそう、どうしちゃったの急に?」
「いや、なんとなくな」
ふぅん…。
「なぁに、そんなに可愛い英喜ちゃんとお話ししたかった?」
なぁんて……
「まぁな」
「は?」
そう、この顔!
この鼻で笑い伏せるようなフッって顔!
オレすっげ………………好き、なのかも…?
「どうした緒方、顔赤いぞ?」
「別に!? おっさんの気のせいなんじゃないの!?」
やべぇ、声が荒くなる。
「ほぉ?」
ほぉって何よ、ほぉって。
ほら、またこの顔。
フッって、犬っころでも見るような。
なんであんた、そんな『俺は全部お見通しです~』って余裕たっぷりなわけ?
オレなんか、オレなんか…。
わけわかんなくてパニくってるっていうのに。
「じゃ、また明日な」
ポンなんて軽々しく頭撫ぜられて。
セット崩れるでしょなんて、文句の1つもいってやりたいくらいなのに。
全身の血が沸騰したみたいに。
身動きが、取れなくなった。
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