深海の人に

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夏が終わり、秋がやって来るころ、海岸には人が捨てたゴミや、打ち上げられた海草などが落ちている。 この時期になると人も減ってきて、海に来る人もマチマチだ。中には海の絵を描いている人もいる。 右には鉛筆を持ち、左にはスケッチブックといった持って絵を描いている彼は、美術専門学校に通う、二宮シハルである。 茶色い長い髪を後で縛っていていて、瞳は青いといった、いわいるハーフて奴だ。 彼が海にいるのは、美術専門学校で課題が海の絵を出されたからだ。 「ふぅ~、なかなか上手くいかないもんだな。はぁ~、課題も楽じゃないなぁ」 (それにしても、みんな僕一人置いてきぼりなんて酷いなぁ(泣)) そう、実は先ほどまでここは、野外美術スクールのように専門学生がたくさん居たのだ。 なぜ学生が居なくなったかというと、普通の人なら1時間ぐらいで終わる課題をシハルは、4時間かかってもまだ終わらないほど書くのが遅いのだ 。そして、友達もみんな呆れて帰ってしまったというわけである。 「むぅ~、それにしても酷すぎる、さすがに一人ぐらいは残ってくれると思ったのに、一人も残ってくれないなんて、僕って人望ないのかなぁ……」 愚痴りながらも、手を動かしているうちに左まぶたが重くなり、右のまぶたは完全に閉まっている。 そしていつの間にか夢の世界へ飛んでいったのだった。 薄暗い所に僕はいた。周りには得体のしれない魚のような物体や、沈んだ船のようなものが見える。 (あれ、あれは……沈没船!? てことはここは海の底!?) わけがわからないと思ったシハルは、あることに気ずいた。 それは、数分もいるのに全然、息苦しくならないということだ。 そして恐る恐る、口を開いたシハルであるが、あれ、息ができるじゃないか?と驚いき、ある結論を出した。 (そうか、これは、夢なんだな。夢か……こんなことしてる時間はないのに、早く課題やらなきゃいけないし、夢なら早くさめほしいなぁ~) そんな事を思っていると下の暗い場所から声が聞こえてきた。 「あなたは私を救ってくれる?」 「え!?」 下から声が聞こえた事に、シハルは驚き焦ったが、単純に考えることにした。 「夢ならなんでもありだよなぁ」 そう言ったやさき、また声が聞こえて来た。 「貴方は私を救ってくれる?」 シハルは考えたすえ、夢ならと思い、その口を開きいった。 「僕ができることなら……」
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