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新兵達は良からぬ噂をしていた。
「俺達全然出番ないよな」
「ああ…これじゃ戦果を上げられないよな」
「だな」
「そう言えば、この解放軍ってシャルスの戦いで多くの犠牲を出したって知ってるか?」
「ああ…知っている。知っている。俺から言わせれば、これは指揮官の問題だぜ。なんでもアイル王子ってのは相当な甘ちゃ……」
「しっー!!」
他の兵が静止に入る。
「あぁ?」
「あれ」
と新兵達をじっと見つめる者がいた。
「あっ…ソラさん!失礼致しました」
新兵達が頭を垂れる。
ソラは何も言わずにその場去る。
「ふービックリした」
「知ってるか?あのソラさんは優れた剣士だったんだけど、グランバニアで親友を亡くし、ああなったらしいぜ」
「そうなのか?」
「ああ……相当恨んでいるんだろうな指揮をしていたアイル王子を……」
再び叫び出し、それは全てソラの耳に筒抜けだ。
にも関わらず、何も聞かなかったかのようにソラは歩を進めていた……。
……………
ガチャ!
会議室の扉が開かれた。
その場にいた者達が驚いている。
構わずソラは部屋に入った。
「ソラ…丁度良いとこに来た」
一人ニコやかに言葉を放つアイル。
しかし、ソラは決して視線合わせない。
他の者達は何故ソラが?と騒ぎ始めている。
アイルは構わず続ける。
「……君は、この砦を叩いて欲しい。人選は全て君に“一任”する」
『!?』
ピタッと沈みかえる。
ソラは地図のアイルを指差す部分をチラッと見ると直ぐ様、視線をそらした。
その場が凍る。
何故にソラに?しかも一任?といった面持ちだ。
「て、てめぇ」
その中で真っ先に口を開いたのは、やはりこの男だ。
「何考えていやがる!?」
イスカは立ち上がり、今にもアイルに組み付こうという勢いだ。
「これは決定事項だ!」
それに対しアイルはきっぱり話を切る。
「はっ!?ふざけ……」
「イスカ!」
とセイラの静止の言葉が入る。
「ちっ!」
流石のイスカも舌打ちを溢し席に着いた。
「じゃ、じゃあ……せめて自分をソラさんに同行させてください」
とリビティナが名乗りでる。
アイルは首を横に振る。
「言ったよね?人選は全てソラに“一任”すると……ソラが君を連れて行くって言うなら、私はそれに従う」
「くっ!」
リビティナが唇を噛み締めた。
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