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「痛かったですよーアイル王子ー」
そんな中で半泣き状態で自分の肩を揉んでいるミオ。
「あっ……ああ…すまない。取り乱してしまった」
「でもよーそれが本当だとしてだ。この場にリュウザンはいないわけだろ?」
とシオン。
「……現状は変わってないな」
とゼフィロスが繋げる。
アイルは皆に視線を移す。
「ああ…さっきも言おうとしたが、これがソラに取って最後のチャンスだ」
とアイルは言いつつも、彼の“本心”は違った。
皆を納得させる為にあえて、そう言ったに過ぎない。
「その最後のチャンスで隊が全滅を喰らったら、堪ったもんじゃない」
と今度はサラが返す。
「ああ…だから、其処でミオの出番だ」
と言ってミオに向き直した。
「えっ!?あたし?」
ミオは突拍子もなく振られ驚く。
「うん」
アイルが微笑む。
「え、え~っと…私は何をすれば…良いのでしょうか?」
「ソラに気づれぬように、彼の監視…それをお願いする為に、この会議に呼んだんだ」
「はぁ…」
「異論はありますか?セイラ王女」
アイルはセイラ王女に向き直す。
「本人に一任する」
と簡素答える。
「ありがとうございます」
(自分も王族なんだから私に気を使うな)
胸中ゴチるセイラ。
またアイルは再びミオに向き直す。
「どうかな?頼める?」
「え~…なんで私なんですか?」
「それは君にしかできないから……いや、信頼できる君にしか頼めないからだよ」
手をミオの肩にポンと置き、にんまり微笑む。
「そうですか……了解致しました。アイル王子の期待に添えられるよう奮闘させて頂きます」
満面な笑みを浮かべ、敬礼をする。
「ありがとう……では、早速行って来てくれ」
「はっ!」
そしてミオは退室した。
(扱い易い人で良かった)
と胸中呟いたアイルは再び皆に向き直す。
「これで異論はないよね?」
「ああ」
代表でシオンが答える。
これで話がまとまろうとしていた。
「……気を使ってるのか?」
しかし、セイラが水をさす。
アイルの方を向かずに呟く。
「えっ!?」
「チカに気を使っているのか?」
セイラが言い直した。
「お見通しですねセイラ王女……それもありますが、彼女を信頼しているのも事実です」
ミオの相棒チカは模範戦の時にジェリドに射抜かれ、まだ本調子ではない事をアイルは知っていた。
「そうか……すまない」
と言いながらセイラは薄く微笑んでいた。
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