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夜8時をまわった時間にN君は、電話でS君を夜釣りに行こうと誘った。…高校を卒業して3ヶ月の二人だったが就職先も見つからない。二人して原付バイクのカゴに釣具などを入れ、釣りえさを買って釣り場へと向かった。海での夜釣りで、駐車場があり、そこに二人は原付バイクを留め、釣具を手に持ち、堤防の上を歩いて釣り場に向かうのだが、なにしろ、この堤防が長く三百メートルほどある。…しかも暗~い堤防を二人は喋りながら前へと進んだ。🍶喋っていると釣り場に着いた。🌃釣り場はと言うと地磯で、早速、二人は懐中電灯で手元を照らし、仕掛けをつくり、釣り針にエサを付け、釣糸を海中に垂らした♊夏の夜釣りなもので、耳のまわりで蚊がうるさく飛んでいるので、虫除けスプレーを首筋に吹き、魚が釣り針にかかるのを二人は待った〓辺りは暗~く静かで、時間が過ぎていった。どのくらい、時間が経ったか、一匹も魚が釣れないまま、S君は、磯の岩の上で眠りそうになったが、電気ウキが気になって、海面に目をやったが、電気ウキは沈んでなかった…… …… … どこからか、わずかに人の声が聞こえてくる〓… …… … … ……お経を唱える声… か?…… … … …… … 「うぉわあっ」 S君が声を洩らした N君が気づき、「なんなぁ、なんか掛かったんかぁ」と声をかけた。「お経の声がする」とS君は少し怯えた様子で言った。N君は、「ほんまかよ……蚊の飛ぶ音とちゃうか?エサ付け替えんでもええか?」と声をかけた🌃 それから、二人は集中して釣りをしていたが、深夜1時半をまわり、N君が小魚を釣り、ますます大物を釣り上げようとするN君♊ S君は… …… … …再び、眠くなっていた。二人の釣りをしている地磯の先は砂浜になっていて、その辺りは小さな島になっていたが、S君は何気なく砂浜の奥の雑木林に目が向いた〓…………目を疑った。髪は残バラで鎧?を身につけた男?達がこっちにむかってあ、歩いてくる♊……S君は目の焦点がサダマッテナイ……声が出せず、煙草を吸おうとライターを持とうとしたが、手の震えが、おさまらず自身を落ち着かせようと思い、知っている限りの人を思い浮かべ、祈った〓……S君は我にかえり、気がつくと煙草を吸っていた………なんだったんだろう、あれは……「ゴクッ」S君は息をのみ少し安心した♊
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