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全てを理解するのに時間はかからなかった。
このクラスは弘樹の配下にある。
「久美。ちょっと……」
美佳に手招きされて廊下に出た。
「弘樹に逆らっちゃダメ。いい?わかった?」
「うん。」
うつむいて教室に戻った。
私の後ろの席の典子は弘樹と仲良しらしく私の席に弘樹は座って典子と話をしていた。
どうしよう。
私の席ない。
「あら。柳田さん。席に着きなさい。」
和山先生に促されて教室に入る。
「はい、皆さん席に着いて。」
その声で弘樹は自分の咳に戻った。
先生の指示で一人一人自己紹介を始めた。
みんな無難に自己紹介をしていたが、美佳だけはちょっと違っていた。
「私の好きなスポーツは相撲です!」
その発言でクラス中がどっと笑った。
全員が自己紹介を終わったあとはフリートークの時間だった。
「美佳って相撲好きなの?」
「うん!久美も相撲好き?」
私は相撲なんて興味が無かったがとりあえず、美佳に合わせることにした。
「うん。好きだよ。」
この答えたが私の運命の分かれ目だった。
私はこの時はまだそれに気付かなかった。
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