魔贈獣の姿

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暫くすると千歳とクルーラーがなだれ込み、動きの止まった妖魔達を倒した。 千歳は腕輪を飛ばし、それを妖魔に貫通させて倒していた。 クルーラーは槍の様な物を振り回し、妖魔を倒している。 「更夜様!!」 声がして更夜が下を向くと、ヘブと仮面が走ってくるのが分かった。 シドはどうしたのだろうかと姿を探せば、彼も蛇に巻き付かれていた。 蛇は白い。そして水色の丸が二つあるのが分かった。 「降りろ、魔贈獣」 仮面が言うと、更夜の身体は彼の両腕の上に置かれた。 「更夜様!あぁ…」 ヘブが涙目で更夜の手を握った。 彼の髪は暗闇でも金色に光り、更夜はそれを見て安心した。 ーこれは?ー 声が出ない更夜はヘブにそう訊いた。 ヘブは大丈夫、と言う。 「大丈夫です。仮面様の魔贈獣です」 ーシドさんのも?ー 「はい。あれは成來様の魔贈獣です」 ヘブが言うと、仮面は更夜を下に降ろし横にさせた。 水があったが、それは気にする程でもなかった。 「後で治癒魔法を掛けてやる。 …心臓は保つな?」 仮面はそう問い掛けた。 彼の表情は分からないが、その言葉が何処か弱々しいと更夜は感じた。 更夜が頷くと彼は更夜の髪を一撫でし、顔を上げて背を向けた。
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