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過疎が進んだこの町には娯楽施設というものはないらしい。
比較的"街中"にあるおばあちゃんの家からでさえ、コンビニに行くのに徒歩20分。
そのコンビニも7~23時までという某有名コンビニチェーン店の初期の営業時間と同じという短さだった。
朝早くから人の声が聞こえて、夜になるとしん、と静まり返る。
ここはそんな島だった。
田舎特有の噂話で広がった私のことは、1日とたたずに同じ地区内に(もしかしたら島全体に)広がった。
「いや~梨花ちゃんたら有名人だね。どこ歩いてても梨花ちゃんのこと聞かれるよ。」
そうやって明るく話すのはくりくりおめめの祐哉くん。
島に来てから2日目の今日。
楽に1週回れるほどの大きさだというこの島の案内をしてくれていた。
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