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船がこの島に着いてから約5分後――
「梨花ちゃん?」
少ししわがれた声があたしの名前を呼んだ。
「大きくなったね。」
優しい声音でそう言いあたしの頭を撫でる人。
聞いた年よりも若く見えるその姿と声はおばあちゃんというよりもおばさんに近い気がした。
「今日からお世話になります」
ペコッと頭を下げてあたしはそう言う。
「そんなに畏まらなくていいのよ。っさ。家へ行きましょ」
そんなおばあちゃんの後に続いてあたしは歩き出した。
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