日常

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墓参りって何の花が良いんだっけ? 菊とか?あ、訊けば早い話じゃん。 「あのぉ、墓参り用に作って下さい」 「いらっしゃい。あら、鈴ちゃん。そういえば、お父さん今日だったわね」 そう言って店の奥から出て来たのは、馴染みのあるおばちゃん。 「おばちゃ~ん。全然花分かんない」 「その前に……あんたその顔どうしたの?」 え゛っ!そんなに酷い? 「何でもない。さっきこけたの~」 「嘘おっしゃい!こけただけでそんな事にならないわよ!まさか、またお母さんが?」 「今回は違うよ。さっきから言ってるでしょ?こ・け・た・の!」 しつこいよ、おばちゃん。まぁ、心配してくれんのは有り難いけどさ。 「そう…。まぁ、言いたくないのならそれで良いけど。先に手当てしないとね。お父さんに合わせられ無いよ、その顔じゃ」 げっ!そんなに酷いんだ~。ってこの顔で、町中歩いて来ちゃったよ、私。 流石にこれで会いに行くのはまずいと思いおとなしく手当てを受ける事にした。 、
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