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「バカで結構だ。もう少し寝たいから他の男子にでも絡んでこい。序でにデコペンしてきたらどうだ?…イテテ」
するとエトナは寂しそうな顔を隠すように窓の向こうをまっすぐ見つめて言った。
「…他の男子なんて相手にしてくれないし」
ラハールの眠気が覚めた。
それは何のせいなのか、はたまた今の言葉に動揺したのかは解らない。
「エトナ、俺は先に帰」
「待って」
エトナはラハールの片腕をとっさに掴んだ。
「エトナ…離…」
「中学の時も、部活も、席も、クラスも、ずっと一緒。そうなってく内に、私はラハールを普通の男子として見れなくなった。
それは、この時、今も、昔も変わらない。だから、離れたくない。一緒にいたい。離れる時が来るかもしれない事を考えると怖いの。」
「俺は…愛なんて…嫌いだ…」
「ラハール…」
「けど…エトナ、お前だけには何故かよく分からん気持ちを持っている。ずっと1人の俺を支えてくれたのもお前だけなんだ」
気が付くとお互いの顔は夕焼けで眩しく見えない位明るくて、近づいてるのかよく解らなかった。
「ラハール、私の目を見て。」
「エトナ」
エトナの吐息が熱く、そして甘い。
校内の生徒はもうこの二人しかいない…
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