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「善いこととは、心の底から善いことをしたいと思ってすることだ」(アリストテレス)と言われたら、なるほどそうだよね、打算的は善は偽善だもんねってなるね。
でも、「善いこととは、したくもないことを義務だからとすることだ」(カント)って言われても、なるほど人間は社会のルールに従うことが強制されてるし、違反したら悪いことだと言われるし、したくもないことをする人の方が偉いかも。とも思えるね。
一見常識的な2つの主張は矛盾する。これは珍しいことでなく、常識はしばしば矛盾する。
普段、散々自衛隊を非難する人も、災害に巻き込まれれば「なんでもっと早くこないんだ!」とか言ってみたり。
イッツアツモールワールドは納得するけど「世界は広いなぁ」とか言ってみたり。
「拳でしか語れないことがある」というのを違和感なく受け入れる一方、「暴力はダメだよ」も受け入れられる。
都合のいいように使い分ける常識。
「核は危ないから持っちゃダメだよ。平和を乱すから」といいつつ「いや、オレらのはさ、ほら、もう持ってるし、仕方ないじゃん?処分も金かかるし」っていう核保有国。
社会保障は手厚くしろというくせに増税は嫌だと言う人たち。「経済が停滞するから」
自分の主張を通す理由なんざいくらでもある。なければ作ればいい。大抵はどっちの言い分も一理ある。
より説得力のある常識が、そうでない常識を打ち負かす。
人は、自分の好きな常識を選んで、理由を取って付ける。ない場合は「は?常識じゃん」で済む。
常識ってのは曖昧なもん。「常識力検定」とか言うが、もしホントにそうなら全員100点だよ。非常識でも常識と呼ぶことは可能ってことだねぇ。
常識に従う必要はない。というか、常識は矛盾するから不可能。
好きな常識を選べばいい。
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