契約の洞窟とルナストーンと魔術書と

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窓から眩しい日の光りが差し込む。 「…な…りな…」 誰かが読んでいる。 「…な…ちゃん朝…よ…」 奈緒美が莉奈の体を優しく揺する。 「莉奈ちゃん?おはよ朝だよ?」 「あうぅ…おはよぉ…」 莉奈は朝にかなり弱い。やっと起きた莉奈の髪を奈緒美が優しく解かす。 「なおちゃんいつもありがと」 莉奈は両親がいないため親戚の家に預けられていた。ある日まだ幼かった莉奈は一人で公園で遊んでいたらふらついていた奈緒美と出会った。二人はまるで姉妹かのように仲良くなりその日のよる氷室家に引き取られることになった。こうして今は学園に近い氷室家の別宅で奈緒美と一緒に住んでいる。 「今日は赤い紐で髪を結ぼうかしら」 莉奈の髪が綺麗に束ねられ赤い紐で結ばれる。 「よしっ!出来た」 鏡台に髪を綺麗に赤い紐で結ばれた莉奈の顔が映る。 「莉奈ちゃんそろそろ朝食食べて学校行こう?」 「うん」 二人は制服に着替えて部屋をあとにした。 二人は家を出て5分歩くと学校の校門が見えてきた。ちょうど車3台分横に並べられるくらい広く豪華な造りである。校門からさらに5分歩くと校舎につく。学園は広く端から端まで歩いて一日かかるらしい。だから学園内を定期バスが運行している。やっと教室に着いた奈緒美と莉奈は自分の席に鞄を置いて席に座る。もちろん二人の席は隣同士だ。始業のベルが鳴り響き先生が教室に入ってきた。 「おっはよー!!ホームルーム始めるわよー!」 こうして莉奈の一日が始まった。
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