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奈緒美の涙は月の光で輝いていた。
「なおちゃん……うぅっ……」
奈緒美の胸で泣く莉奈を優しく抱きしめる。
「私…ちゃんと守るから…莉奈をちゃんと守るから…だから…力を貸して…ウンディーネ…」
泣いて抱き合う二人をウンディーネと夜空に輝く丸い月が優しく見守っている。
「アドルフ皇帝陛下!儀式の準備が整いました。」
「ふむ…わかった。」
黒い鎧と赤いマントに身を包んだ人が豪華な椅子に座っている。その後ろには七人の騎士が整列しているが暗くてよく見えない。
「皇帝陛下…闇の魔術書の復活までもう少しですね…グヘェヘェ…」
七人の騎士の中の人が皇帝と喋っている。聞くだけで明らかに人間ではないとわかる。
「グハハハハッついに私が魔王になる日が近付いて来た。グハハハハッ」
皇帝は笑いながら暗い廊下へと七人の騎士と一緒に消えていった。
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