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「…………あのさあ、うちらが見つめ合ってると即効噂になるから」
ふと、反らした顔が少々赤いのは気のせいだろうか。
確かに、さっきからチラチラと視線が気になりだしていた。
なんでもこの女子高の人気投票だかなんだかで、彼氏にしたいナンバーワンがアタシで、彼女にしたいナンバーワンが那智なんだそうな。
そんなことはどうでもいい。
今はとにかく早くこの話を終わらせたかった。
「午後の授業はパスする。先生にはうまく言っておいて」
「またあ? 毎回コーヒー牛乳1本じゃ割りに合わないんだけど」
膨れっ面の友人を見ないように、カバンに化粧ポーチや手帳を詰めて席を立った。
「もうヤバイって。5現目の先生廊下に来ちゃってるよ」
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