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「また後でメールするね♪」
カバンを両肩にかけて、
廊下とは反対側の窓から勢いを付けて飛び降りた。
フワッと体が宙に浮く。
「佳香!」
教室の窓際の席ががどよめく。
スカートがめくれて下着が見えたのか。外でほうきを持って掃除をしている教頭が驚いた表情で固まっていた。
鼻の下が伸びているのが気色悪い。
見たいなら見せてやる、こんなもん。
そんな大人を鼻で笑って一目散に駆け出した。
目的地はない。
行きたい場所もない。
教室が1階で良かった。
2階だったら飛び降りるわけがない。
勢いよく飛び出しても、そんな中途半端な奴。それが私だ。
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