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「それって、女の子が好きってこと?」
「…はあ!? なんでそうなるかな」
「だって男に興味がないってことは、そうなるでしょ」
男兄弟の中で育ったせいか、異性を見てもドキドキとかキュンとする感情よりも、世話の焼ける弟か兄という目線で見てしまうのが癖になっていた。
いつも家では、雑誌のグラビアアイドルのページを一緒に見て、“この子が可愛い”っていう意見に無理やり付き合わされたりしているので、同性の友達感覚というのが正直なところで。
だからといって女性に興味があるわけではないし、付き合いたいと思うほどの恋愛感情を持ったこともない。
女子高っていうこの環境上、クラスに1人か2人、そういう子がいるっていうのは暗黙の了解になってるけど。
「佳香が女の子が好きでも、あたしは別に応援するよー」
1人の世界に浸って考え込んでいるうちに、那智の頭の中は猛スピードで違う方向へ進んでしまっていた。
「だってさ、佳香って実際女の子にはモテるじゃん」
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