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「はよ…。椿」
「拓夢?……おはよう
今日は、早いんだね?」
「まぁな…」
可愛らしい木材の扉を開ければ、その先には制服を着た女の子がベッドの上に座っている。
いつからだろうか、
…柏木 椿。
幼馴染みのこいつと、こうして世話を焼いて毎日登下校を共にしているのは…
いや、物心ついた時には…
こんなに傍にいる事さえ、俺達二人には当たり前に変わっていたんだ。
俺はお前を、ずっと支えたい。
椿は知らないと思うけど
俺はそんな事想いながら、傍にいたんだけどな…
今日だって、無理に笑うお前が…
見ていて切ない。
お前は、俺の表情が想像ついてるか?
俺の声で想像ついてるか?
「毎日ごめんね、拓夢。
目が見えてたら…
こんなに迷惑掛からないのにね」
「…気にすんなよ」
お前は目が見えない。
俺の姿さえ、分からない…
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