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男は信也の刺された左手をさらに踏みつけた
「グァァァアァァァ!!」
激しい痛みに堪えきれず信也が声をあげる
こいつ…!
許さねぇ!!
だが、俺が動くより一瞬早く動いたのは直樹だった
「待て!直樹!!」
「ワァァァァァァァァ!!」
俺の制止を聞かず直樹は叫びながら男に向かって走り出す
(バカ!相手は大人で!殺人犯だぞ!
真っ直ぐ突っ込んでどうにかなる訳ないだろ!)
きっと直樹も頭ではわかってるはずだ
頭ではわかってるけど止まらない
止まる訳がない
目の前で弟があんな目にあわされてるんだ
男に向かい走る直樹
だが…
男が呟いた一言
「だるまさんがころんだ」
男に触れる直前
直樹の動きが止まった…
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