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男が何度目かのだるまさんがころんだを数え出した時、俺の前にいた直樹が突然しゃがみ込んだ
(直樹?)
気になった俺が近づこうとした瞬間
直樹が視界から消えた
いや…
走り出したんだ…
男に向かい走る直樹を、俺は…
また、止められなかったんだ…
「兄ちゃんっ!!」
直樹が走って来るのを見て、信也が声を上げた
でも…
その声を聞いた男は一気に数え終えて振り返った
直樹は男まで後、30cmの所まで来ていた
次には確実に男にタッチ出来る距離
次なら…きっと
「次に俺が数え出したらお前達の勝ちだと思ってるだろ?」
その時、男が直樹の後ろにいる俺達にまで聞こえるように大きな声で言った
(当たり前だろ。
その距離でタッチ出来ないなんてあり得ない)
勝ちを確信した俺達にかけられたのは、予想もしなかったものだった…
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