4人が本棚に入れています
本棚に追加
お昼休み
大好きなお弁当の時間やで。
やっちゃんも、あっきも好きな。
ケンカしてるんは分かっとる。
やけど、お昼くらいは笑ってぇな。
ふーはな、何も言えへんよ。
きーちゃんも。
やけん、笑ってて欲しいと思うんは、傲慢なんかな?
「ほら、食べる前はいただきます、やろ!」
ごめん、やっちゃん。
やせ我慢してるんは分かっとる。やけん、笑って。
やないと、皆がおかしなるわ。
ふーが何とか出来んくて、ごめんな。
「おん。せやな!いただきますっ」
だから、ふーは笑うで。
何とか出来ん分、何があっても笑ってんで。
「うふふ。いただきまーす」
あっきもやっと笑った。
思わず、きーちゃんと顔見合わせて、ふーたちも笑ってもうた。
「あ!やっちゃんのたこ焼き入ってん!」
きーちゃんがやっちゃんのお弁当に箸をのばす。
ふーもあっきのお弁当にさりげなく、忍び寄んねん。
「いただきっ!」
たこさんウインナー。これ、ふーの大好物やねん。
たこさんやから、好きなんね。
普通のは、普通やな。
「あー!!」
あっきとやっちゃんが声そろえて叫ぶんや。ノーアポやで。
なんに、きれいにそろうねんなあ。
「食べ物の恨みは一番怖いんやからな。後悔しぃ!次は体育やで!」
やっちゃんの顔が輝く。
体育……。
っあ!
セクハラされるやん!
「きーちゃん、一緒に逃げような」
「せやな。おやじやもん、あっきとやっちゃん」
最初のコメントを投稿しよう!